フォントはデザインをするうえで理解しておく必要がある項目のひとつです。
ただ、「フォント」とひとことでいっても各フォントの特徴と名前にあわせて、そのフォントの属する種類などを理解するには、デザイン学習初心者とってはハードルが高く感じてしまうのではないでしょうか?
「となりのヘルベチカ」では、欧州フォントを擬人化して紹介してくれているので、フォントに親しみをもってフォントのことを理解できるようになりますよ。
「となりのヘルベチカ」のあらすじと構成
「となりのヘルベチカ」はフォントの知識を4コママンガと解説で理解できる内容になっているので、一般的なフォントの専門書などと比べると、とても読み進めやすくなっています。
ストーリーのあらすじ
「デザイナーの卵の主人公がフォントの世界に迷い込み、様々なフォントに出会って交流し、フォントに関しての理解を深めていく」
登場するフォントたちは個性豊かで、各フォントの歴史や成り立ちの背景に加え、実際に使用されている場面まで紹介されているので、初心者にはとても分かりやすい内容になっています。
フォントは3種類にクラス分け
扱われているフォントは3種類にクラス分け(章分け)をされていて、
- サンセリフ体
- ローマン体
- その他(スクリプト体・ディスプレイ体・ブラックレター体)
となっており、各章の最後のページでは各書体の解説と実例があるので理解がさらに深まります。
大きなくくりでフォントを分けるポイントをつかめるので初心者にはありがたい章構成です。
登場キャラクターの名前はフォントの名前
各フォントの特徴を持った個性豊かな登場キャラクターの名前は、もちろんフォントの名前です。
すべてのキャラクター(フォント)に対してマンガの後にはフォントの成り立ちや、制作された年、設計者、発祥国などの解説ページがあります。
4コママンガでキャラクター(フォント)の雰囲気をつかんでから解説を読む流れなので、解説文がスーッと頭に入ってきてくれますよ。
また、各フォントでのアルファベットと数字の表示の見え方がわかるように、大文字と小文字のアルファベット「A」から「Z」と、数字の「0」から「9」までが掲載されているので、実際のフォントの見え方も確認できます。
デザイン学習初心者におすすめ
フォントの特徴をとらえた個性豊かなキャラクターたちが登場し、主人公が成長していくストーリーを単純に楽しむのはもちろん、フォントの基礎知識を理解することができるので、
「フォントについてイマイチよくわからない」
と、つまづいているフォントに対して苦手意識をもっているデザイン初心者におすすめの一冊です。
最後に
となりのヘルベチカを読み終わって感じたことは、今まで苦手意識をもっていたフォントに対して親近感を持てたことです。
世の中にはたくさんのフォントがあるので、この本一冊で紹介されているフォントはごく一部ではありますが、フォントの理解をもっと深めたいと思っているデザイナーさんには是非おすすめの一冊です。